お客様の買い替え需要を促進する方法
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今回は、「下取り」というビジネスモデルパーツをご紹介します。下取りは、お客様の節約志向に対する言い訳を作り、商品を購入するという行動を起こすきっかけとなる。下取りをビジネスモデルとして取り入れる場合に、重要なのが買取金額だ。下取りに関して客様がある程度高いと認知する金額を付けなければ、いくら下取りを広告で遡及しようとも、お客様の行動を喚起することは難しい。
では、高い下取り金額を付けるにはどうしたらいいだろうか。
粗利益の高い製品の場合には、ある程度高い金額を付けることが可能だ。また、顧客情報を収集することと引き換えに高い金額を付ける方法(※1)、リピート購買を前提として、高い金額で買取をする方法(※2)、高い買取金額をつけるものの、使用にあたっては一定金額以上の制限を付けるなどして、過度の値引きにつながることを抑止するなどの工夫もできる。
また、下取りと似たビジネスモデルに「2つ目半額」というものがある。これは、セット割引と似ているが、セットの場合には購入したすべてが割引の対象となるのに対して、2つ目半額は読んだ通りで1つ目は定価となる。このビジネスモデルパーツは、スーツ販売店で良く取り入れられている。全ての商品を対象としていこともあるが、多くの場合には、一部対象とならない商品があることも多い。2つ目を半額とした場合、売上高と利益額は上昇するが、当然のごとく利益率は減少する(※3)。
最近では、まとめ買いで2点目半額、3点目無料といったものも良くみます。この場合には、すべて同じ単価であれば、半額となる価格設定です。お店にとっては、在庫回転率、売上高を高めると同時に、お客様にとっては、お得感を感じながら、商品の組み合わせを楽しむ「ゲーム性」を感じることが可能となります。ここではあまり触れませんが、このゲーム性というのは大事なビジネスモデルパーツで、ゲーム性を感じてもらうための方法は様々な手法があります。
また、参考のため、「Buy 1 Get 1」は、1つ買うと1つ無料でついてくるというものです。割引率は、単価の加重平均ですので、後に買う割引になる商品が高いほど得になりすが、通常は同じ単価で行われることが多いです。単価の縛りが無い場合には、後に高い金額の物を購入してもらうことで、あえてお客様にお得感を与えて、売上高を高めて、リピート購買につなげることを狙いとしています(※4)。
以上、が今回ご紹介したビジネスモデルパーツです。ある程度長持ちするような製品で買い替え需要を喚起したい製品やサービスに適用することができます。また、「下取り」のビジネスモデルは、販売業だけでなく、サービス業でも利用可能です。この場合には、「乗り換え」というビジネスモデルとなります(※5)。たとえば、税理士業で乗り換えをする場合、月次決算の終了している月数に応じて割引を行う形もとれます。では、ここで社長一人に成れる場所に行ってください。そして、30分程度の時間を取って頂き、自社で今回ご紹介したビジネスモデルが適用できないか検討してみてください。いつもの通り、適用できないではなく。適用することに決定したとして、どういう手法がとれるか考えてください。そして、その後、収益性や企業イメージなどを検討して不採用となればそれはそれで構いません。まずは、考えるということを行ってください。それでは、ビジネスモデルの組み換えを楽しんでください。それでは、またお会いしましょう。
※1:将来の広告費の節減分やリピート購買う分を下取り金額に充てている。
※2:いわゆる顧客生涯価値を基準とする方法。
※3:販売点数の上昇を通じて、在庫回転率を上げ、不良在庫の減少、大量仕入れにより仕入価格の削減交渉など間接的な効果がある。
※4:珈琲喫茶などで、高い珈琲でも2杯目半額というお店があります。
※5:元帳や月次決算書などを下取りすることもできますが、少しやりづらいかもしれません。
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