手っ取りてっとり早く業績を改善する方法を知りたい2

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 利益を出すための手法は数多くあるのですが、もっとも重要なことは何だと思われますか。実は、その答えは、皆さんがやりたがらないし、皆さんにとっては聞いてもつまらない事なんです。でも、私にとっては、とてもわくわくすることです。ドラゴンボールじゃないですが、エキサイティングなアドベンチャーのようなものです。それでも知りたいという方だけこの先を読んでください。


 その答えは、現状を正確に把握するということです※1。「なーんだそんなことか」という声が聞こえて来そうですが、やっぱりこれが大事なんです。自分がいまどんな状態かわからなければ対策のしようが無いのです。今、どういう状態で赤字なのか、黒字なのか。会社としての全体構造を見ていきます。そして、個別の商品やサービスの利益率を見ていくんです。


 ここで重要になるのが「粗利ミックス」です。個々の商品やサービスの利益のことを粗利(あらり)といいますが、粗利ミックスというのは、2つ以上の商品やサービスの粗利のセットのことを指します。例えば、ハンバーガーの粗利利益率が60%だったとして、ハンバーガーを頼む人は必ずジュースを頼む傾向があるとします。ジュースの利益率が90%だとすると(※2)。この場合、粗利ミックスは、(60%+90%)=75%となるわけです(※3)。この粗利ミックスに想定来店人数を乗じる事で(※4)ハンバーガーとジュースを頼んだ場合の予想粗利を計算するわけです。つまり、ハンバーガーだけでは、さほど儲けられないが、ジュースを同時販売することで儲けを増やしているんですね。


 この粗利ミックスから人経費や、その他の経費を差し引く事により予想利益を計算していきます。利益を現状以上に出したい場合には、人件費や経費を抑える(※5)ことはもちろんですが、この粗利ミックスを増やしていく事が重要になるわけです。まずは、現状を把握してから対策を練るということですね。


 では、粗利ミックスを増やすには、どうすれば良いか。これは簡単です。販売価格をあげていくか、仕入原価を下げるか、購入人数を増加させるのです。さらには、粗利益の高い商品の購入割合を上げたり、一度の購入個数を上げていけばよいわけです。先ほどの例でいえば、ハンバーガー1個に対して、全員がジュースを必ず1個購入するような仕組みを作っていけば良いわけです。また、現実的にできるかは別として、ハンバーガー1個に対して、ジュースを2個買ってもらったらさらにいいわけです。さらに、一人でハンバーガーを10個同時に買ってもらったら、なお粗利ミックス的には良いわけです(※6)。


 そのために活用できるのが「ビジネスモデルパーツ」です。粗利ミックスを利益率的または金額的に良くしていくための、ビジネスモデルパーツは、様々なものがあり。それを活用することで、ほぼ全ての企業で粗利ミックスを上昇させていくことができます※7。パーツの中には、利益のみならずキャッシュフローの状態を数段アップさせると言った効果を持つものもありますので、是非、活用するようにしてみてください。このビジネスモデルパーツについては後々ご紹介させていただこうかと考えています。


 まずは、御社の現状の製品・サービスごとの粗利ミックスを計算してみてください。建設業の方は、プロジェクト別の粗利ミックスですね。現状を把握することが改善への一番の近道です。さあ今すぐ始めてください。あなたなら必ずできるはずです。


※1:正確にと書いていますが、精密とか厳密というわけでは有りません。あくまでもマクロ的に大雑把に説明ができればいいわけです。

※2:粗利益の求め方には、飲食サービス業であれば、原材料費のほか、製造のための人件費、調理機器の設備代の減価償却なども入れるのであるが、小さな会社でそこまで計算するのは大変なので、原材料費を引いた利益を粗利益と考えても良い

※3:実際には、併売率(ジュースを同時購入する割合。30%など)を想定するのですが、話が難しくなるので割愛します。

※4:飲食店などは、座席数に対する回転率を乗じることが多い。例えば、10席のお店であれば、2回転なら20人の来客があるということ

※5:相対的な意味でということ。つまり人件費を増やしてそれ以上に売上を上げても良い。

※6:少なくとも短期的な業績に与える影響は良い。長期的に顧客の信用を失わないといいのですが、、、。

※7:比率的にも、金額的にも

新ビジネスモデルを構築するためのビジネスモデルパーツ入門講座

結局どうすれば現状を脱却できるのか。そのためのヒントとなるような記事をビジネスモデルという切り口から綴っていきます。僕の定義するビジネスモデルは、一般的に言われているビジネスモデルとは異なり、経営戦略的なレベルのものだけではなく戦術レベルのものや、マーケティング・財務的等のものまで含まれます。このブログを通じて、経営者の方がビジネス変革のヒントをつかんでいただけるきっかけになれば幸いです。

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