固定概念に縛られないようにするには
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「変化球は、低めに投げてはいけない。」これは野球での固定概念だった。37歳で最多勝を挙げた下柳選手は、この固定概念がある中で、高めのスライダーを投げることで、アウトをとってピンチを切り抜けた。(※1)
固定概念を捨てることは難しい。ましてや既存の固定概念を捨てて新しいサービスを考えることはとても困難だ。まぁ、これも固定概念かもしれないが。
固定概念の例を考えてみよう。雑誌の発売日は、実際の発売日よりずっと後。映画の上映は、上映開始時刻より15分後。ネットで試着できないため服のサイズを合わせづらい(※2)。これは、機能的な制限からの限界というものや、利益を出すための工夫という一面もあるが、消費者の側から見れば、不便この上ないし、そのため不満を感じている方も多いと思う。さらに言えば、消費者側も慣れすぎていて当たり前のことになってしまっているものさえある。
では、固定概念を取り崩し、ビジネスモデルに変革を加えるにはどうすればよいだろうか。そのためには、お客様の不満、不便を想像し、その解消のために既存のものを組み合わせていくことが重要だ(※3)。既存のものは、新聞や雑誌、人の話などから吸収する。町を歩きながら新しい発想の消費やサービスを観察することも有効だ。特に、異業種の固定概念を取り壊した事例を研究し、その事例が何を目的として、どんな機能を付け加えたかを考えていくことが重要だ。異業種の事例は、同業種の事例と比較して、発想の幅を広げやすい。また、同業でやっているものがいないので、新しい価値ある変化を取り入れられた場合には、大きな注目をあびることができる。
このような形で、固定概念を打ち壊し、お客様が不安に思っている不満足を解決し、新たな需要やサービスを作り出すことができる。ぜひ、みなさんも、他業種のビジネスモデルの研究を常日頃からしていただきたい。
※1 下柳剛「ボディ・ブレイン(第1刷)水玉舎」p.132
※2 この不満を無くすためのアバターというもので自分の身長や体格などを記録し、洋服などのフィット感を色で表示するサービスが出て生きている。
※3 時には、お客様の不満を想定する前に、自社のビジネスモデルに他社のビジネスモデルを加えてみると、そこからお客様の潜在的な不満が浮かびあがってくることもある。
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