タクシーにおけるお客の不安をなくすには
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タクシー業界で顧客の不安を解消する新しいビジネスモデルが導入され始めている。それは、「事前価格提示」※1だ。タクシーでは、渋滞などの影響があり、事前に所要時間を予測することが完全にはできない。そこで、渋滞した分のリスクをお客に負担させることをあたりまえのようにしてきた。一般のビジネスにおいては、仕事の見積もりが予想を超える場合には、販売者側がその予測超過分を負担することが多いが、タクシー業界では、その要因が渋滞という外部的な要因であることを踏まえ、時間請求方式による報酬額の計算により予測超過分をリスクをお客側に転嫁させてきた。(ただし、当然のことながら早く着いた場合には、お客は得をすることになる。)
事前に価格が分からないと、値札のない寿司屋の様に不安を感じるお客が少なからずでてきてしまう。これをITの活用により、精度の高い所要時間予測により、乗車の交通状態等を考慮しながら乗車時間の予測をし、事前に提示する。これにより、お客のいくらかかるかわからない。予想を超える渋滞が起きた場合の負担が心配といった不安に対応することができる。
価格提示方式には、各種のビジネスモデルパーツが存在し、固定価格方式、変動価格方式※2、準変動方式、事前提示方式、事後提示方式、おまとめ価格、松竹梅価格などいくつかのパーツを組み合わせていく。
最後に、お客の不満を解消することで、新たなビジネスモデルを作るワークを紹介する。
ステップ1)社内でプロジェクトチームを結成し、お客の悩みや不満を調査、想定するワークをする。
ステップ2)1のうち業績へのインパクトの強いと思われるものを1つ決め、その悩み、不満に対するビジネスモデルパーツを導入する。
ステップ3)コンセプトの一貫性を保ちつつ、ビジネスモデルの改善を行う。
どうであろうか。新しいビジネスモデルは、まねされるのも早いが、業界で一番にお客の頭の中にインパクトのある新しいポジションを築くと、その優位性は高く強固になるのでぜひワークをしていただき新しいビジネスモデルを探ってもらいたい。
※1 他に、一定距離を限度とした定額請求。一定区間をフリーとする定期券方式なども導入されている。
※2 変動方式のパラメーターには、作業時間などの工数のほか、為替変動などの市場変動要因などがある。
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